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Crazy is Perfect!!

橋本くん出演N2N感想②

このペースで書いてったらどんな量になるんだろうか…wwwただ、もう省くのも大変なのでこのまま進めていきます。

続いて、新しい局面を迎えるシーンから

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Make up Your Mind/Catch Me I'm Falling

何度目かの診察でDr.の催眠療法で心の奥底を探る。穏やかなメロディの中に新納Dr.の優しく、でもしっかり導いていく歌声に乗せて、足を閉じてしっかり地面につけて、深呼吸して…何度も自分も目を閉じて深呼吸したw心のドアを開いて…ここでセットの後方の幕が左右に開いて薄い紫の明かりが広がる演出がとても好きでした。

結婚も出産も予定外だったこと。建築学科に在籍していた彼女は恐らく志や自身のキャリアプランもあったと思う。それを投げうって駆け落ちしてまで(駆け落ちしたことは後のナタリーの台詞で分かった)ダンについて行くように結婚したんだと思う。その結婚生活は幸せだと思うようにしてたこと。でも息子が生まれてすべてに心から納得ができた。生きる希望だったのに…あの日までは。ナタリーを産んだ時、抱くことができなかったと話すダイアナ。同じ子供だけどゲイブとは違うことを感じ取ってしまったのかな。

それにしても、自分で産んだ子供を抱けないなんて、闇が深い。そしてナタリーのことを考えると胸が痛む。

 

I Dreamed a Dance

初めて観た時から衝撃で、私がN2Nの中で1番好きで1番泣いてしまうシーン。悲しみを乗り越えようとするものの幻想のゲイブはあまりにも恋人ヒーロープリンスでやはり失いたくないという気持ちが勝ってしまうダイアナ。タキシード着て登場して、母を優しくダンスに誘う。海宝くんが登場してタキシード姿にどう?って感じの顔するのかわいすぎて好きになっちゃう…と思った。背徳の狭間の2人のダンスはあまりにも甘美で妖しい。

 

あなたと踊る夢を見ている。

朝が来たら1人ぼっち。やっぱりあなたと踊っていたい。あなたと踊れるなら死んでもいい。

 

こんな状況でなくても、自分より背が高くなった息子がこんな風に一緒に踊ってくれたら、ダメだと分かっていてもこの手を離したくないと母親なら思ってしまうのではないか。息子が生まれて死んでから17年。自分を守ってくれるような存在になったこの局面で事態が大きく変わったのだと思う。ただこの場合、息子がこの悲しみから守ることは死に結び付く。それでも…という気持ちが分かってしまう気がして号泣、号泣。ゲイブは1回躊躇するんだけとあまりに辛そうに一緒にいたいとすがるダイアナをみて…。

 

改めてこのダンスは本当に悲しく美しい。男性役で数々娘役とダンスを踊ってきたであろう瞳子姫がバッチバチにリードしてるから全体通して2人の織りなすフォルムが完璧。橋本くんも1度くらいお手前に預からせてもらったらこれからのミュージカル人生にかなり役立つかも…なんて思ってしまっていた(いえ、1番は私が観たいだけなんだけど)。

 

There's a World

There's a World行こう、向こう側へ。痛みのない世界へ行く方法を教えてあげる。とダイアナを死に導くゲイブ。ただゲイブはダイアナの幻想だから、自殺ということになる。もう頭の中がぐちゃぐちゃになるけど、ゲイブそうじゃないの!!!!と思いつつ、ダイアナの自由になりたい→死んでしまいたいという気持ちの幻想だからなのか…でも劇中ゲイブはなんか1人の人間として人格を持っていて。ゲイブもいい子だから(幻想だからいい子で当たり前なんだけどその背景を超越してる人格というか)なんか誘いながらも辛そうで、でもすごく苦しんでいるママを楽にしてあげたくて。途中から、自殺したことを説明するDr.マッデンのナレーションが入ってきて2人が織り成す夢の世界にいた観客も現実に押し戻される演出も秀逸。

 

I've Been

ダイアナが自殺して血が飛び散ってる部屋を雑巾がけしながらどんな時でも支えてきたのに報われないもどかしさダンのやるせなさが見ていて本当に辛い。ただダイアナを支えようとする気持ちの原動力が自分が1人になりたくないから。みたいなことを歌っててナタリーが微塵も出てこないことも手伝ってなんか違和感を覚えたりしながら。皆さん言っていたけど、白い雑巾が椅子や周りを拭いた後、赤いしみが出来ていて、それをバケツで絞ると水が赤く染まる。細部までこった演出に鳥肌。あまり細部を見ずに、全体像から見てしまうタイプだから言われるまで全く気づかなかった…。

 

Didn't I See This Movie?

ここは毎回楽しみにしていて、好きなシーン。痛快で。ECT(電気ショック療法)をDr.から勧められてそばについているゲイブに止められるシーン。ここでノリノリのミュージックにのせてDr.に最低!!悪徳!!私は騙されない!!と悪態つきまくるダイアナ。自殺未遂直後のくせに、めちゃくちゃ生気に溢れて、とっても元気wいや、元気そうでよかったと思ってしまったw。ダイアナがまだ混乱しているときのゲイブ「記憶をどれだけ失ったかなんて、記憶を失った人にはわからないじゃないか」がもっとも過ぎてwゲイブにとってはECTを受けて記憶がなくなったら自分も消えてしまうからここは阻止しようと必死なんだけど、かなりあっさりダイアナが同意して、そこからものすごいいたずらっ子の悪い目になるwめっちゃかわいい。ダイアナがストレッチャーに上に立って上からDr.に文句をぶちまけ、更に移動するときに行くわよ!みたいに手招きで前に行けみたいにダイアナが合図を送るとこ。最初のほうは、上に立っていた瞳子さんが海宝くんに座って体勢整ったから前に進んでいいですよのアイコンタクトみたいな感じだったんだけど、上演が進むにつれて2人の間で合図が変わっていくのが面白かったな。こういうのも舞台の良さなんだろうけど。ストレッチャーを押している海宝くんが段差手前で止めるときの力の入った手と腕に浮き上がる筋、一瞬見せる命預かってる(落ちたら大変)表情にきゅんでした。歌詞もめちゃくちゃ文句並べてて、1つ1つ説明したいくらいなんだけど、とにかくテンション爆上がりでノリノリ。そして落差。最初のほうでダイアナがあの病院もひどかったけど、このカッコーの巣は最低って歌う。カッコー?聞き間違い?って思ってたら、精神病院の蔑称なのだとか。日本じゃこの歌詞は書けない、ギリギリの歌詞で、このレベルの悪態がずっと続くの、本当スカッとするのを分かってほしいw瞳子さん、検査着に裸足といういで立ちながら、そのスタイルの良さにも見とれてしまう。

 

A Light in the Dark

病院を出ていこうとしたダイアナのもとに現れるダン。だまってECTの同意書をDr.を渡す。そのあと、もう1回やり直そうとダイアナに訴えかける。あんなに反抗していたダイアナがダンの言うことを受け入れてECTを受けることを認め同意書を書く。自由になりたい、楽になりたい。と思っていても、ダンに対する信頼は絶大でダンの言うことには最後には従う。現実のスレスレのところにいるダン。行き場のない悲しみに溺れながらギリギリのところでダイアナも生きる希望を見つけたいと思ってるんだよね…報われないと思っているダンだけど、ダイアナはダンを愛していることは間違いなく、ただ、辛い道を選択することになるからダイアナはゲイブの幻想で逃げ道を作っているんだろうな。ゲイブの落胆して信じられないという表情が悲しい。連れていかれるときも見送るダンではなくゲイブを見つめる。さよならするのはゲイブだとダイアナは分かってるんだろう。それだけの覚悟をさせたダンの思いを歌ったこの曲。涙…。

 

ここまでで1幕。ストーリーを展開しながら見どころを要所要所にちりばめる構成には感服。すっかりクリエでの幕間の過ごし方をマスターしました。2幕はまた次回。